Vendome ヴァンドーム



こんにちは。Rm Antiques店主のRieです。
第5回目は『Vendome ヴァンドーム

Vendome(ヴァンドーム)ヴィンテージジュエリー|高級感あふれるデザインの魅力


Vendôme(ヴァンドーム)は、もともとはアメリカ最大のジュエリーメーカーCoro(コロ)の高級ラインとして1944年に設立されたブランドですが、他のCoroブランドとは一線を画す存在感を持ち、現在では独立したブランドとして扱われるべき価値があります

ブランド名は、**高級ジュエラーが軒を連ねるパリのヴァンドーム広場(Place Vendôme)**に由来しており、戦後のアメリカにおける“パリへの憧れ”を象徴するコレクションとして展開されました。ターゲットは、洗練されたヨーロッパスタイルに魅了されたアメリカの富裕層女性たちです。

Vendômeのジュエリーは、パリのシックなファッションに影響を受けたデザインを特徴とし、オーストリアやチェコから輸入された最高品質のフェイクパール、ラインストーン、クリスタルグラスを贅沢に使用しています。各パーツは熟練の職人によって手作業でハンダ付けされ、丁寧にプレート加工が施されているため、非常に高い完成度を誇ります。

また、デザイン性にも優れ、特にクリスタルビーズを編み込んだ立体的な作品など、手の込んだアートピースのようなジュエリーが多く見られます。VendômeはCoroの枠を超えた、芸術性と高級感を備えたヴィンテージジュエリーブランドとして、今なお高い人気を集めています。




丁寧に作られたクラスタータイプ。Vendomeによく見られるデザインでコレクターにも人気です


初期のラインナップとしてチャームのブレス、ガラスパールのジュエリーにVendomeの刻印がつけられました。


Vendomeのグラスパールは艶が大変綺麗で形がほんの少し穴の周りがわずかに盛り上がるとても特徴のあるパール


Vendômeブランドの独立と統一

1953年、当時Coroが展開していた他の**高級ラインであるCorocraft(コロクラフト)およびFrancois(フランソワ)**は、Vendôme(ヴァンドーム)ブランドに統合されました。

この再編により、VendômeはCoroグループ内で半独立したブランドとして再出発を遂げます。以降、すべての企画・製造・販売オペレーションがVendômeブランド単体で運営されるようになり、さらに一層洗練されたジュエリーデザインと品質が確立されていきました。

この時期からVendômeは、単なるCoroの一ブランドではなく、“高級ヴィンテージジュエリー”としての地位を確立していくことになります。

 

1960年代のVendômeジュエリーの変革

1960年代、Vendômeはそのデザインに大きな変化を遂げます。これまで主流だったクラシカルなフローラル幾何学模様が主流だった時代から、新たなスタイルのジュエリーへとシフトしました。

その転換期において、Helen Marion(ヘレン・マリオン)チーフデザイナーとして就任。彼女のデザインは、エスニックテイスト動きのあるフォルムを取り入れ、アブストラクトアートやピカソの影響を色濃く反映させた、ユニークで斬新なスタイルを特徴としていました。この新しいアプローチは大きな反響を呼び、Vendômeジュエリーは瞬く間に注目を浴びます。

特に60年代のVendômeのジュエリーは、コレクターにとって最も価値が高いアイテムが多く、現在では高値で取引されることが一般的となっています。





1957年の買収とその後

1957年、CoroとVendômeはRichter International Coopによって買収され、ジュエリーブランドとして新たな局面を迎えました。この買収により、両ブランドはさらに広がりを見せ、これまでにないユニークで革新的なデザインを発表し続けました。

その後、1979年にその扉を閉じるまで、CoroVendômeは数々の魅力的なデザインを世に送り出し、多くの女性たちに愛され続けました。これらのブランドは、長い歴史の中でヴィンテージジュエリーとして高い評価を受け、コレクターからも注目されています。

 

刻印

通常”Vendome”の刻印。

ペーパータグには”V”の文字と百合の紋章が入ります。















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