Kramer クレイマー

こんにちは。Rm Antiques店主のRieです。
第4回目は『Kramer クレイマー』
Weissのような華やかなピースが目を引くジュエリーブランドが、Louis Kramerによって1943年に創立されたジュエリーメーカー「Kramer」です。Kramerは、そのキラキラと眩しいラインストーンをふんだんに使ったジュエリーで知られ、まさにWeissに通じる輝きが特徴です。Kramerのジュエリーは、見ているだけでずっとうっとりしてしまうような、華やかで魅力的なピースばかりです。
Kramerは、スワロフスキーラインストーンを使用したジュエリーがメインであり、低価格から高価格まで、ターゲット層を広くカバーしていました。そのため、ジュエリーのデザインの幅広さが魅力で、シンプルなものから豪華なものまで、さまざまなバリエーションがありました。特に色とりどりのスワロフスキーのラインストーンを使用したピースは、どれも目を引く美しさです。
個人的には、オパールのストーンを使用した作品がとても素晴らしく、そのカラートーンが絶妙で見事だと思います。オパールストーンの光の加減や色合いが、ジュエリーに深みを与え、まるで光をまとっているかのような美しさがあります。
また、サフィレットに似たサファリンを使用したピースもいくつかあり、これらは非常にレアなアイテムとして、コレクターの間で非常に価値があります。サファリンの独特な輝きと色合いが、Kramerのジュエリーをさらに特別なものにしています。
Kramerのジュエリーは、シンプルでありながら、輝きと色彩が絶妙に融合したデザインが特徴的で、見る人を魅了してやまないピースが多いですね。

オパール系のストーンは色合わせが絶品

綺麗なスワロフスキは華やかなカラーが。丁寧に爪留めされています。
Kramerのジュエリーは、ラインによって刻印が異なり、高価なラインには「Kramer」または「Kramer NY」の刻印が入り、安価なものにはペーパータグがつけられていることが特徴です。この違いを知っておくことで、ジュエリーの価値や年代を見極める手助けになります。
50年代のKramerジュエリー
50年代のKramerは、そのデザインが非常に多彩で、コレクターの間でも特に人気のある時期です。この時期のジュエリーは、抽象模様や幾何学パターンを取り入れたものが多く、革新的で目を引くデザインが特徴的です。また、動物や昆虫、さらには王冠などのフィギュアモチーフが多く見られます。これらのモチーフは、当時のファッションシーンにおいて革新的でユニークな印象を与えました。
さらに、ラインストーンを石座にセットする前に黒いネットで覆うという斬新な手法を取り入れたジュエリーも多く見られ、この技法は多くの女性に驚きと興奮をもたらしました。黒いネットで覆うことで、ラインストーンがより引き立ち、華やかな輝きが際立ちました。このデザインは、Kramerジュエリーの特徴的なスタイルとなり、今でも多くのコレクターがその魅力に引き寄せられています。

ネットを被せたラインストーン。とてもシーク
Golden Lookシリーズは、50年代のKramerジュエリーの中でも特に注目されるラインの一つです。このシリーズは、本物のゴールドのように美しいプレート技術と、輝くラインストーンを組み合わせたもので、非常に高い人気を誇ります。シリーズ名の通り、金のように煌びやかな仕上がりが特徴で、金メッキを施した金属に、カラフルなラインストーンがアクセントとしてセットされています。
Golden Lookは、当時のファッション界で流行していたラグジュアリー感を持ちながらも、比較的手の届きやすい価格で販売されていたため、特に多くの女性たちに支持されました。その美しさと輝きは、まるで本物のゴールドジュエリーのように見えるため、コスチュームジュエリーでありながら、その見た目の豪華さは一級品です。


50年代:
Kramerの素晴らしいジュエリーとその卓越した技術力は、ファッション界の巨匠であるクリスチャン・ディオールの目にも留まり、1950年代にはディオールのデザイナーとして招かれます。この時期に制作されたKramer by Diorのピースは、特に人気が高く、その美しさとデザインの優れたクオリティから、現在では非常に高い価値がついています。これらのジュエリーには、**『Dior by Kramer』や『Kramer for C. Dior』**という刻印が施されており、その希少性と共にコレクターにとっての魅力となっています。
60年代:
60年代に入ると、Kramerは新たに**『Diamond Look』というシリーズを発表します。このシリーズは、アイスシルバーの美しいプレートにラインストーンが散りばめられた、非常に洗練されたデザインが特徴です。Diamond Lookシリーズは、その上品でありながら華やかな印象を持つため、現在でもブライダルジュエリーとして多くのジュエリーレストランやショップで取り扱われています。この時期のKramerジュエリーは、特にその上品さと華やかさ**で知られており、日常使いから特別な場面まで幅広いシーンで愛用されています。

Amourelle
Amourelle
1960年代のKramerコレクションで特に注目すべきなのは、1963年に発表された**『Amourelle』というラインです。このラインは、HaskellのメインデザイナーであったFrank HessがKramer**でデザイナーとして活躍していた時期に生まれたもので、非常に特別なコレクションです。
Amourelleのジュエリーは、Kramerの中でも特にレアで高価なピースとして知られており、刻印には**『Amourelle』**の文字のみが入っています。このシリーズは、シンプルでありながらも洗練されたデザインと、非常に高い製造品質が特徴です。コレクターやジュエリー愛好者の間で非常に評価が高く、Amourelleのジュエリーは今でも非常に貴重なものとされています。

Frank Hessデザインの刻印はハートの可愛いプレート

Frank Hessの作品。とても繊細

こちらはのちのKramerの作品。Frank Hessの影響を受けたと思われます。
1970年代前半、Kramerはその歴史に幕を下ろし、ジュエリーブランドとしての活動を終了します。しかし、その後もKramerのジュエリーは輝き続け、特に美しいラインストーンが使われたパリュール(ジュエリーセット)はコレクターにとって非常に魅力的なアイテムとなり、その価値は年々上昇しています。
Kramerのジュエリーは、目を見張るような華やかさときらめきを持ち、当時のファッションや美意識を反映した優れたデザインが特徴です。特に、豪華なラインストーンをふんだんに使ったパリュールは、今でも多くのコレクターにとって憧れの存在であり、年月を経るごとにその価値は増してきています。そのため、今日では非常に高値で取引されることも珍しくなく、Kramerのジュエリーは今やヴィンテージジュエリーの中でも特に注目を浴びる存在となっています。
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